カイセキ料理?会席料理と懐石料理は違います!


日本語には同じ音で違う意味を持つ言葉がいくつもありますが、その中で「カイセキ料理」があります。カイセキ料理には会席料理と懐石料理の二種類があり、それぞれまったく違う料理を指すのですが、会席料理はお酒の席、懐石料理はお茶の席で出される食事となっています。それぞれの生まれた経緯やマナーはまったく異なるので、日本食を食べる際はその違いに注意が必要です。

 

会席料理とは?

会席料理は、お酒の場で出される料理で、日本の旅館や料亭などで出される食事の大半は会席料理に該当します。料理の出され方はお店などによって異なり、一度にすべての料理を出すこともあれば、フルコースと同様に順番に料理を出していく形式を採用しているところもあります。基本の流れはお酒を最初に出され、お酒に合うつまみに始まり、メインの食事を食べた後にデザートをいただくことになります。日本独自のテーブルマナーも存在しますが、高級な料亭や旅館でない限りは、それほど形式は気にせず、和やかな雰囲気で食事を楽しめます。

 

懐石料理とは?

懐石料理は茶室などでお茶をいただく際に食べるとされる料理です。会席料理と比べると、より落ち着いた雰囲気の中食べる食事であり、マナーにもより強く気を配る必要があります。出される食事は軽食として出されるものなので、量的には少なく感じるでしょう。それでも懐石料理ならではの非常に繊細な味付けは、普段の食事とはまた違う日本の伝統的な文化を感じる逸品となっています。レストランなどで食べられるタイプの食事ではないので、茶道の体験ができる教室などで、一緒にいただくことが出来るか、前もって確認しておいたほうが良いかもしれません。

懐石料理

会席料理の原型

現在の日本の旅館や料亭などで出される食事は、会席料理に限定されていることが多いですが、それ以前には本席料理と呼ばれる会席料理の原型となる料理がありました。こちらは最もフォーマルな日本料理と呼ばれており、食事というよりは儀式として食されるものとして、上流階級の一部の方が食していたとされています。非常の厳しいマナーが設けられていたそうで、献立内容や食べ方、服装まで細かく決められていたそうです。現在ではその厳しさから日本での会食は会席料理にとって変わり、今ではごく一部の日本料理店でしか食べることが出来なくなっているそうです。

 

会席料理のマナー

現在ではそれほど気を使わなくても食べられるようになってきている会席料理ですが、やはりちゃんとしたお店でいただくことになったなら、正しいマナーに準じていただきたいところです。会席料理は前菜やスープ、メインディッシュにデザートと、基本的にはフルコースと似たような形で出されることが多いので、基本的なルールだけは覚えておきましょう。

基本的なルールとして、会席料理では箸が使われます。料理を口に運ぶのも、料理を切って一口大にするのも、魚の骨をとるのも箸を用いるので、箸使いはある程度学んでおきたいところです。出される料理については店によっても異なり、すべての料理のマナーを紹介することは出来ませんが、共通する点として、箸で持ったものは必ず食べきるというのが基本で、食べかけのものはお皿に戻さないというルールがあります。そのため箸で一口大にしながら食べたり、口元を隠しながら箸でもって2,3口で食べたりといった食べ方が推奨されています。日本料理ならではの特徴として、スープに該当するお吸い物は器に直接口をつけていただくのがマナーなので、少々違和感を感じるかもしれません。後はおしぼりと呼ばれる布や紙を使ったナプキンに似たものが出されますが、こちらは手を拭くために使うものなので、口などは拭かないようにしてください。

 

懐石料理のマナー

会席料理と比べると食べる機会は少ないですが、懐石料理にもきちんとしたマナーが存在します。こちらのほうがマナーは厳しいので、しっかり予習してから食べるようにしてください。

まず懐石料理は軽食に近いものなので、量はそれほど多くありません。飯や汁物、焼き物、香の物などが出されますが、それぞれ違うマナーが存在します。一番最初に出される飯と汁物は、飯の器のふたを上向きに返して右に置き、その上に汁のふたを置き、まず汁を口につけます。その後は飯と汁を交互にいただきます。

酒を勧められたら右手に杯を持ち、左手を下に添えて注いでもらったら、すぐには飲まずに元の位置に置き、全員に行き渡ってから乾杯していただきます。同時に向付と呼ばれる酢の物などをいただくこともありますが、その際は箸で一口ずつ取り分けながらいただいてください。

さらに大皿に魚などが盛られた焼き物が出されますが、この際は取り箸がついているので、そちらを参加者と順番に使っていきます。後に使う人がいたら、軽く挨拶して先に使わせてもらいますとアピールをしておきましょう。

そのほかにもすべて紹介しきれないほど色々な料理が出されますが、こうしたマナーについてはネット上でも詳しく紹介されるようになっているので、そちらも合わせてチェックしてみてください。

 

会席料理や懐石料理は日本食独自のルールが存在し、すべてマスターしているのは日本人でも少ないかもしれません。とはいえ観光で多くの方が訪れるところでは、もっとフランクなお店も多いので、完璧なマナーを覚えるのが面倒という方も楽しく日本食を楽しむことが出来ます。

”出汁(だし)”は日本料理の原点

(noren Ichiro)


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