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『串打ち三年、焼一生』焼鳥職人の世界
- 2016/2/2
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近年日本料理が世界各国で食べられるようになり、日本料理のレストランなども開業するようになりました。そんな日本料理の中でも、新たに人気を集めているのが焼き鳥と呼ばれる料理です。日本料理というと魚料理をイメージすることが多いですが、焼き鳥はその名の通り鶏を焼いて調理する肉料理で、シンプルながら作る職人の腕で美味しさが大きく変わるといわれています。日本の焼き鳥職人の間では「串打ち三年、焼き一生」という言葉もあり、一流の焼き鳥職人になるためには、それこそ一生をかけなければならないといわれています。果たして焼き鳥とはどのような料理で、それを作る焼き鳥職人はどの様な技術を身につけているのでしょうか?
焼き鳥とはどんな料理か
そもそも焼き鳥とはどのような料理なのかというと、鶏を一口サイズに切り分け、串に刺して焼くという非常にシンプルなものです。その歴史は古く、12世紀ごろ、日本で肉食が禁じられていたころに野鳥だけは食べてもよいという決まりがあったことから、小さい鳥をそのままの状態で串に刺して焼く串焼きが行われるようになり、時代が進むにつれて鶏の育成が始まることで、鶏の肉を小さく切り分けて串焼きにする現在の焼き鳥が生まれました。シンプルな調理法ながら、使用する炭の違いや焼き方で味わいは大きく変化し、味付けに使うたれや塩も店ごとに独自の味付けが行われるなど、職人の腕が大きく反映されるため、一流の焼き鳥職人が経営する店には常に多くの客が訪れています。
焼き鳥職人になるまで
焼き鳥職人になるためには、非常に長い時間をかけて修行しなければならないといわれています。「串打ち三年、焼き一生」は焼き鳥職人になる難しさを端的に表した言葉で、一流と呼ばれる職人であっても、完璧に焼き鳥の技術を極めたとは言えず、常に修行を続けているといいます。焼き鳥職人になるには、焼き鳥店で修行を積む必要があり、まずは雑用を数年間こなし、どのように焼き鳥を作るのかを師ともいえる店主の仕事ぶりから学んでいきます。一流のレストランの修行と同様に、雑用期間は非常に長く、実際に調理を任されるようになっても、客前で焼き鳥を焼き続けることから、客前に立つときの立ち振る舞いから、客に満足してもらえるような接客、それらをこなしながら最適な状態で焼き鳥を提供できる焼きの技術の習得まで、非常に多くのことを新たに学んでいく必要があります。自分の店が持てるようになるまでにはさらに長い時間が必要となります。その中から一流の焼き鳥職人と呼ばれる人はごくわずかで、焼き鳥職人の道が非常に険しいものであることがわかります。
焼き鳥作りに必要な技術とは?
焼き鳥職人には非常に高い技術力が求められます。一見すると肉を切り分けて串焼きにするだけのシンプルな調理法なのですが、実際にやってみると火の通り具合を間違えるだけで肉が固くなってしまったり、焦がしてしまったりと、簡単に味が落ちてしまいます。昔ながらの店では炭火を使って調理を行うので、火加減の調節も難しく、常に火の前に立って肉の状態を細かくチェックして、最高の状態でお客に提供できる目を鍛える必要があります。さらにたれの味付けや使う塩の選択でも味を大きく左右するので、他の店に負けないようなオリジナルのたれを作り、優れた味の塩を探しだせる舌も必要となるなど、非常にシンプルな料理だからこそ、職人に求められるスキルは非常に高く、一流の職人がいるお店の焼き鳥は、他の店よりもはるかに優れた味であることが、少し食べるだけでわかるほど味に違いが出るそうです。
焼き鳥の人気
焼き鳥の人気は非常に高く、最近は海外の観光客もお店に訪れるようになって来ています。元々焼き鳥はお酒のつまみとして食べられていたもので、リーズナブルなものが多かったのですが、最近は客の多様化が進んだことで、使用する素材にこだわった高級志向のお店や、鶏以外の変わった食材を焼く店、外国人観光客の来店を想定して、メニューなどに外国語を記載する店なども増えてきています。そのためどのようなお店に行きたいかを予め考えておいて、希望と合致する品を提供してくれるお店を調べておけば、より満足できるお店で焼き鳥を楽しむことが出来ます。最近では観光ガイドでも焼き鳥店を紹介するようになって来ているので、そちらも参考にしつつ焼き鳥を楽しみましょう。
長い間修行を積んだ焼き鳥職人が作る焼き鳥は、本当にシンプルな調理法に見えるにもかかわらず、他の日本料理にはない味わいを楽しめる非常に優れた料理です。観光客に人気のある有名なお店もいいですが、地元の人が集まるお店も多いので、ある程度観光慣れしたらそうした隠れた名店を探してみるのも良いかもしれません。また作り方自体はシンプルで、自分で再現することも不可能ではないので、バーベキュー代わりに自分で焼き鳥を作ってみるのもオススメです。
(noren Ichiro)
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