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”出汁(だし)”は日本料理の原点
- 2016/2/6
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最近食されることが多くなってきた日本料理において、だしの存在は非常に重要な存在といわれています。日本料理は素材の味を味わう淡白なものが多く、だしの有無や種類によって味わいが大きく変化します。そのためだしの種類や出し方など、古くから様々な研究が行われており、だしをとる技術が高い人は、非常に美味しい日本料理を作ることが出来るとも言われています。そんな日本料理の原点ともいえるだしとはどのようなものなのでしょうか。
日本のだしの歴史
日本料理でだしを使うようになったのは、非常に昔からといわれています。昔は意図せず食材に火を通している間にだしが出て、それが料理の味付けにつながったといわれていますが、意図的にだしを食材からとるようになったのは、7世紀ごろといわれ、時代が進むにつれて様々な食材からだしをとったり、文献にだしについて語るようになったりと、情報を広く伝えようと取り組むようになっていったといいます。さらに江戸時代に入るころには様々な文献でだしが紹介されるようになり、独自のだしの取り方やだしをとる素材についての話題が上るなど、現代のだしの形が完全な形で生まれ、新たなだしを考案したり、書籍でそれらを紹介したりと、どんどんだしの存在が広がっていきました。現在では地域ごとに独自の素材を使うなど、料理のだしの取り方にも違いが現れるようになり、料理の味にも様々な違いが見られるようになっています。
海外のだしとの違いは
日本料理で有名なだしですが、だしを使っているのは日本だけではありません。海外にも独自のだし文化があり、その味は非常に優れています。例えばブイヨンやフォン・ド・ボーと呼ばれるだしは非常に有名で、様々な料理に使われていますし、これが加わることで料理はさらに美味しくなります。日本のだしと海外のだしと違いはいくつもありますが、特に大きな差が出るのが使用する素材と調理時間です。まず日本のだしが数少ない素材を活用するのに対し、海外のだしは複数の素材を組み合わせることで複雑な味を表現します。さらに日本のだしは数分で出し終わるのに対し、海外のだしは仕上がりまでに10時間以上かかるなど、使いやすさにも差が見られます。
どんな素材からだしをとるのか
海外のだしが野菜や肉など、様々な素材からだしをとるのに対し、日本で古くから使われているだしは、そのままの素材を数種類や、一つの素材だけでだしをとるのが一般的です。代表的なものだと、かつおぶしやさばぶしといった、魚を乾燥させて作った乾物や、海草の昆布を乾燥させたもの、しいたけなどのきのこ類に干しえび、貝といった、海の幸や山の幸が使われます。肉類は昔の日本で食べることが禁じられたこともあって、だしに使われることはありませんでしたが、肉のような旨みの少ない食材を使って慮類をすることが多くなったことで、だしを使って味に深みを加える必要が出るなど、日本料理におけるだしの重要性に大きく影響したとも言われています。
料理によって変わるだし
非常にシンプルな日本のだしですが、料理によって使用するだしを変えることで、料理の仕上がりは大きく変化します。よく見られるのが、調理する食材とは違う場所で取れるものからだしを取るという選び方で、魚を使った料理を作る際は、きのこなどのように山で取れる植物からだしを取り、野菜を調理する際は魚のように海で取れる動物のだしを使うという具合に、それぞれの素材の味を楽しみやすい組み合わせにすることで、料理がより深い味わいになるといいます。さらに現在の日本では、肉を食べることが許されているので、肉の味をさらに深めることが出来るよう、複数の素材からだしを取ることや、肉からだしを取るなど、今までになかっただしを利用する機会も増えており、味のバリエーションは昔に比べてはるかに増加したといいます。
簡単に使えるだし
日本の出しの魅力は誰でも簡単に使えるという点にあります。素材ははじめから加工されたものが販売されていますし、自分で手を加える箇所もそれほど多くはありません。さらに海外のだしのように何時間もかける必要はなく、火にかけたお湯に数分ほど素材をつけるだけで十分だしが取れます。むしろ長時間だしを取ろうとすると味が落ちるものが多いので、海外のだしとはまったく違う感覚でだしを取らなければなりません。さらに最近ではそうした素材からだしを取るのも面倒という方のために、様々な素材から抽出した旨み成分を加工して、顆粒状にした簡易だしも販売されており、お湯に適量入れるだけでだしの味を再現できることから、普段時間をかけずに料理したいという方に人気を集めています。
日本料理は素材の味を活かしたシンプルな料理が多い分、出しの仕上がりの違いが味に大きく変わります。素材ごとのだしの取り方をマスターするだけで、料理の味は数段階アップするとも言われているので、自分で日本料理にチャレンジする際は、だしの取り方について前もって学んでおくのをオススメします。
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