寿司の歴史 知ってますか?


寿司の歴史を探る、奥深き日本食、寿司
寿司は日本食の代表として世界中で愛され、食べられている料理です。握り寿司の他に、ちらし寿司や押し寿司、巻き寿司など様々なバリエーションのある寿司ですが、どのようにしてでき、発達したのでしょうか。

 

寿司の原点

寿司のルーツは東南アジアにあり、山地に住む民族が魚を長期保存するために生み出した保存食だと言われています。米や麦などの穀物を炊き、その中に魚を詰めて乳酸菌の力で乳酸発酵させた、いわゆる「なれ寿司」のようなものがその起源と考えられています。この技術が中国から朝鮮半島を経由して伝わり、奈良時代には既に日本で存在が知られる食品となりました。

 

なれ寿司の誕生

※なれ寿司:主に魚を塩と米飯で乳酸させた食品

日本で千年以上の歴史を持つ、寿司の原型とも言われているものがなれ寿司です。代表的なものに滋賀県の琵琶湖一円で作られていたフナ寿司があります。卵巣を残して内蔵を除き、塩漬けにしたフナを、塩抜きして飯と一緒に桶の中に漬け込む料理です。

漬け込むことで桶のなかで乳酸発酵が起こり、フナの身が腐敗することなくアミノ酸などのうま味成分が増すのです。漬け込んだご飯は食べずにフナの身だけを食し、漬け込む期間も数ヵ月から数年かかっていました。

 

なれ寿司からの変化

なれ寿司から始まった寿司文化ですが、発酵にあまりにも時間がかかるため、時代が進むにつれてその形も変化していきます。最低でも食べられるまで数ヵ月を要するなれ寿司に代わり、室町時代になると漬け込んで数日で、飯も一緒に食べるようになる「なまなれ(生成)」が登場します。これは今日でいう、押し寿司や箱寿司の原型とも言われています。

 

握り寿司の誕生から現在の寿司の形へ、江戸前寿司の誕生

現在のような握り寿司と呼ばれる形になったのは江戸時代後期になってからです。酢の生産・流通が盛んになり、時間をかけずとも酢の酸味と殺菌作用をいかして寿司を作る方法が江戸で誕生しました。

この握り寿司は江戸の屋台で流行し、東京湾で取れた魚介や海苔を使うことから「江戸前寿司」と呼ばれるようになりました。

 

現在のスタイルへ

江戸から明治にかけての寿司は屋台が中心でしたが、戦後は屋台で生ものを扱うことが禁止され、現在のように店で振る舞われる形になりました。その後、より手軽に楽しめる回転寿司が誕生し、その人気は今も続いています。


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