
包丁自体はどこにでもありますが、日本の包丁はどこの国でも一定の評価を得ているといいます。海外の料理人からも評価される、日本の包丁の魅力を考えてみました。
歴史的背景
日本独自の包丁が使われるようになったのは、鎌倉時代あたりからといわれています。
この頃は武士が歴史の表舞台に立つようになった時期で、刀の製造技術が急速に高まってきた時代でもあります。日本の包丁はこの、刀の製造技術の発展に合わせて、独自の進化をしてきたと言われています。
和包丁は日本刀が進化
一般的に日本刀は玉鋼と呼ばれる世界一純度の高い鋼を原材料に繰り返し折り返し鍛錬をして鍛えられます。この玉鋼の製法は日本で即時に進化した製法で、世界中どこを探しても類のない独自の製法です。
この玉鋼を15回程度の折り返し鍛錬を加え、約3万層の鋼層を持たせる事で日本刀は完成されます。
現代の日本の包丁は日常使いに適したリーズナブルな物から一流のプロが使用するハイクオリティなものまで多彩ですが、日本刀の製造技術を現代に引き継ぐロマンあふれるものであると考えることができます。
和包丁の切れ味
日本の包丁が海外の包丁と比べて良く切れるといわれるのは、刃先の形状の違いにあるという説があります。
海外の包丁は両刃に加工されているものが多いのに対し、日本の包丁は片刃に加工されているものが主流で、片刃のほうが食材を切る際の刃のコントロールがしやすく、皮を薄く切るなどの複雑な加工がしやすく、食材を切る際に摩擦抵抗をほとんど受けないことから、食材の細胞を必要以上壊すことなく食材を細かくすることが出来、食材の味を極力落とすことなく加工することが出来ると考えられています。
和包丁の難点
和包丁を使い込んでいると、綺麗な片刃が少しずつ刃こぼれしていって、最終的には切れ味が落ちてしまうので、常に切れ味をキープするためには、こまめに包丁を研ぎ石で研ぐ必要があり、綺麗に片刃をキープするためにも、研ぎの技術も学ばなければなりません。一流の料理人はこの都議の行程を毎日行うそうです。
和包丁の切れ味を維持する為にはこまめな手入れが必要ですが、その切れ味は一度経験するとクセになるほど魅力的です。デイリーユースではなく、ココ一番の料に和包丁で腕を振るうという使い方が粋なのかもしれません。
(noren Taro)
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