
グローバル化が進む現代において外国人と接する機会も増えていくと思われます。
そんな中英語力の必要性が高まっていますが、それ以前に抑えておきたい基本教養の一つとして武士道があります。
今回は武士道の成り立ちと要点を簡単にまとめました。
「武士道」ってそもそも何?
武士道という言葉が広く一般的に使われ始めたのは江戸時代の頃だといわれています。
この時代は武家が政治の実権を握って以降、最も平和な時代でした。そのため、本来は戦闘集団であったはずの武士がサラリーマン化し、本来の戦闘集団としての存在意義が薄れた時代でした。
武士道はサラリーマン化した武士の行動規範と武家支配の論理的根拠の概念として登場してきました。
また、明治期には新興国家としての日本をまとめるためのイデオロギーとして、また理想の日本人の典型像として、内容を変え国家経営に活用されました。
江戸時代の武士道
泰平の世で武士は戦闘者である必要はなく、文武と徳を重んじる知識階級が理想とされました。
何の根拠で天下を統治しているのかが問われ、信義・ 礼節・勇気を尊重し、忠孝に励み、死を賭して主君のために仕えるというのが武士である(水戸学)という儒教的武士道が完成しました。
江戸期の武士は支配層であるものの、大部分がサラリーマン化していることから生産階級である農民から尊敬される高いモラルと、組織への忠義心が特徴的です。
江戸時代がおおよそ300年程度続いた太平の時代であることからこの江戸時代武士道の概念は非常に良く機能したのではないでしょうか。
明治時代の武士道
武士道に関する議論は様々ありますが、明治期に成立した新渡戸稲造の武士道が、今日の我々にとって最も一般的な武士道ではないかと思われます。
文明開化を迎え、世界の中で日本人はどうあるべきかという命題に対して、日本を象徴する武士という概念と照らし合わせて書かれたのが新渡戸稲造の「武士道」です。新渡戸の武士道に特徴的な点は武士の概念がキリスト教と結びついている点にあると考えられます。キリスト教の理想的な人間像と武士の理想像を融合させ国際社会の中であるべき日本人像を描き出した点です。
新渡戸稲造の武士道は日本人を美化傾向や他民族に比べ優秀な日本人という書き方が散見され、しばしば批判の対象となる。しかしながら、出版当初から世界中でベストセラーとなり、日本研究の入門書とされたことも事実です。
世界から日本はどう見られているか、英語力を磨くよりも先に一読しておくと、英語学習のモチベーションも変わってくるかもしれません。
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