人気急上昇! 忍者の歴史


日本には他の国には見られない様々な文化がありますが、その中でも特に人気が高いのが忍者です。現在では創作物のイメージとして採用されることが多く、忍者を題材にした漫画作品は数え切れないほど製作され、海外でも高い人気を集めています。その人気は海外の作品にも高い影響を与えており、忍者のキャラクターが登場する漫画は世界各国で作られています。非常に高い人気を集める忍者ですが、その歴史は日本の歴史にも深くかかわっているといわれ、非常に古くから記録が残されています。

 日本最古の忍者

日本で忍者が誕生した時期は、様々な説が残されていますが、ある説によると587年ごろには日本最古の忍者が誕生していたといわれています。当時の権力者である聖徳太子と呼ばれる人物が、当時国を治めていた朝廷の動向を探るために雇っていたスパイが「「志能便(しのび)」「志能備」と呼ばれていたという記録が残されており、実際に聖徳太子に雇われた志能便とされる人物の記録も残されていることから、この時代に忍者が誕生していたといわれています。

戦争と忍者の関係

忍者と戦争は切っても切れない関係にあり、日本全国で戦いが続いていた時代は、特に多くの忍者が活躍していたといわれています。漫画のようにたくさんの侍や他の忍者と戦ったり、ミステリアスな忍術を使うことはありませんでしたが、敵の領地にもぐりこんで、重要な情報を探るなどのスパイ活動を積極的に行っていたといわれています。忍者が増えるごとに手口の種類も増えるようにになり、優秀な忍者が多く誕生したといわれています。

伊賀と甲賀忍者の誕生

忍者が全国各地で活躍するようになると、優秀な忍者が大勢いる地域ではより優秀な人材を求める傾向が強くなってきますが、忍者がより強く求められるようになったごろに、伊賀忍者や甲賀忍者といった優秀な忍者を輩出する地域が現れるようになりました。そうした優秀な忍者は物語のモチーフとしても採用されるようになるため、時代を超えて愛される代表的な忍者として高い知名度を集めています。

平和な時代と忍者の衰退

戦争中は敵国のスパイなどが中心で、戦争を起こすタイミングなど知ったり、敵軍の装備の充実度合いなど、様々な情報が集めることで、戦争をより有利に励めるようにしたのは良いのですが、日本ではおよそ300年前から江戸時代と呼ばれる時代にはすでに戦争はひと段落して、徳川家と呼ばれる一族が日本を統治していました。こうなると忍者の存在はそれほど重要ではなくなるので、非常に多くの忍者が職を失うことになったといわれています。

モチーフとしての忍者

江戸時代に入った日本では、今後明治時代に入って開国するまでは海外との接触も無く、戦争も起きない非常に平和な時代が長く続くこととなります。当然忍者の存在もその間は必要とされなかったのですが、戦争が続いた時代に活躍した忍者の話が出回るようになると、そこから忍者の話を小説にしたり、歌舞伎のモチーフにしたりする人が現れました。こうした娯楽のモチーフとして忍者が使われるようになったことで、過去のものとなっていた忍者が再び人々の目に触れるようになりました。

日本の忍者ブーム

日本で忍者がモチーフの歌舞伎などが作られるようになる前は、忍者は国のトップにいた人たちに知られていた存在ではあったものの、それほど庶民の間で知られていた存在だったというわけではなかったのですが、このころに出回った様々な出版物で忍者がモチーフにされたことで、現在の忍者のイメージがほぼ作られたといわれています。忍者の忍法でよく見かける、大きな蛙を呼び出す忍法などは、このころに書かれた作品から生まれたものといわれています。

実際の忍者の変化

娯楽作品のモチーフとして注目を集めるようになった忍者ですが、本物の忍者は様々な道を歩むこととなりました。忍者の多くは農民などの一般市民として一生を過ごすこととなったそうですが、一部の忍者は政府の下で続けてスパイ活動を行っていたとされており、反政府勢力が表れないか各地方の監視を行ったり、警察として江戸の治安を守ったりと、様々な分野で活躍していたといわれています。

明治以降の忍者

江戸時代が終わり、明治時代を迎えると、海外文化が人々の暮らしや考え方を大きく変え、忍者の活躍の場もどんどん失われることとなりました。江戸時代まで働いていた忍者も、江戸幕府が無くなってしまったことで職を失いましたが、改めて明治政府の下で警察や軍隊といった組織で働くようになり、忍者の考え方なども徐々に失われていきました。それでも当時の記録が一部残されていたり、忍者をモチーフにした作品が出回っていたことで、忍者が忘れられることはなく、その後も現在に至るまで忍者を題材にした小説や漫画、映画にアニメなどが製作され、一時期はどんな作品にも忍者が登場するような忍者ブームまで起きていました。

 

忍者の存在が海外に広まったのは数十年ほど前のことで、忍者を扱った映画や漫画などが数多く製作されましたが、当時の忍者のイメージは日本で作られた娯楽作品の忍者のイメージが強く、実際に日本にいた忍者とは大きくかけ離れたものになっているといわれています。ですがそうした忍者にこそある魅力があるのも事実で、海外で作られた忍者をモチーフにした作品が、日本に輸入されてヒットした例も少なくありません。

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