
2003年、現代アート作家の村上隆のフィギュア作品「Miss KO2」が、NYのオークションで56万7500ドル(約5537万円)で落札されました。日本のコレクションフィギュアは世界的にその芸術性が認められたのだと考えられます。
日本のコレクションフィギュアの歴史は非常に古く、すでに300年前には存在していたようです。
今も残るコレクションフィギュア
現存するコレクションフィギュアの原型はおよそ1740年頃の京都、加茂人形(加茂川人形)まで遡ることができます。上加茂神社に仕えていた高橋忠重という職人が祭事用の奉納箱を作ったあとの木片で作った人形を、この神社にお参りに来た貴人にお土産として売ったのが始まりとされています。
加茂人形は、木彫の人形の上に各種の裂(きれ)地をはり付け、その裂地の端をあらかじめ素地に彫っておいた溝の中に押し込んで(木目込む)処理する技法でつくられています。
裂地の色彩が華やかで、躍動感ある動きがこの人形の特徴とされていますが、愛嬌ある表情やデザイン性の高さからも非常に魅力的なものを感じます。
加茂川人形は、それまでの人形がボディに藁を使い、縫い合わせた衣装を着せこむのが一般的だったのに対し、木を原材料であったため保存状態がよく当時のまま多数現存しています。福岡県柳川市にある立花家資料館には、立花家所蔵の加茂川人形のコレクションが多数収蔵されています。1センチにも満たないとっても小さな人形が、口を開けて笑っていたり、険しい顔をしていたりと、個性豊かな人形たちに時間を忘れて見入ってしまいます。
加茂川人形の木目込み技法はその後江戸に伝えられ、現在は江戸木目込みとして続いております。雛人形や五月人形などの節句人形の半数は江戸木目込みの技法で作られています。
日本のコレクションフィギュアの歴史は300年以上続く伝統文化であると考えると、日本人はつくづく人形好きなのだと思います。今後、コレクションフィギュアがどのように発展していくのか楽しみですね。
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